映画の舞台 祝島(いわいしま)について

山口県熊毛郡上関町 祝島

瀬戸内有数の漁場、周防灘と伊予灘の間に位置する山口県熊毛郡上関町の島。
上関町は本州の一部と祝島を含めた3つの有人島から構成されている。

面積 7.67km2
人口

512人(2009年4月末現在)

※うち65歳以上が全人口の70%を占める

主な産業 漁業, 農業
特産品 びわ、みかん、ワカメ、ひじき、さより・タコの一夜干しなどの海産物加工品、石豆腐、寒干し大根ほか
伝統行事 4年に一度のお祭り 神舞(かんまい)は、千年以上続いてきたと言われる伝統行事

厳しい自然環境、深刻な高齢化

山口県上関町は、瀬戸内海周防灘に浮かぶ周囲12km、面積7.67km2の小さな島である。その昔は“岩井島”といわれていたというほどに、島は岩だらけで平地が少なく、湧水・天水から確保できる真水も限られており、また台風が、島の北東に位置する集落を直撃することも頻繁で、人が暮らすのには決して恵まれた自然環境とはいえない。その中で、島民同士の強い結束力は育まれていった。人力で岩をひとつひとつ掘り起こして島の隅々まで棚田を築き、周辺の豊かな海での漁業を産業の基盤とし、昭和30年代には、人口3000人を超える発展を遂げた。

 しかし現在では、全国の農村や離島の例に漏れず、人口512人(2009年4月現在)となり、その70%が65歳以上という深刻な高齢化、過疎化の問題を抱えている。

航海安全の祈りを捧げる神霊の島

祝島は、関西と九州の国東半島を結ぶ最短の航路上にあたり、奈良時代から海上交通の要衝となる寄港地であった。そして古代より、この島には航海安全を祈願し、豊かな海への感謝を捧げる神官の祝(ほうり)がいたとされ、神霊の島といわれてきた。瀬戸内海を行き交う船が危難に瀕した時は、この島に向かって一心に祈ると、島は霊光を発して行く先を照らした、という話しが残る。

上関原子力発電所建設計画

1982年、祝島の対岸4キロにあたる田ノ浦に上関原子力発電所建設計画が持ち上がる。祝島では住民の9割が反対を表明し、28年を経た今も、島をあげての原発建設反対運動が続いている。その影響で中国電力の事業は幾度となく延期され、大幅に建設予定が遅れてきたが、2009年10月には、山口県が公有水面埋立免許を交付。